伝統ある高野山寺院の風格を表現し、
寺務内容を親切に伝える。

高野山の古刹である持明院様は、四季折々の素晴らしい景観、戦国武将やお市の方の肖像画などの貴重な所蔵品でも知られています。手入れが行き届いた宿坊も人気で、全国からたくさんの方が祈願や供養に訪れているお寺です。

しかし、これまでのWebサイトは写真が小さく、持明院様の魅力を十分には伝えられていませんでした。高野山独特の行事や祈願供養についての情報掲載も少なく、観光客や檀信徒からの問い合わせにも主に口頭で対応されていたそうです。また、スマートフォンで閲覧しにくいという課題もお持ちでした。以前私たちがリニューアルに携わった真如堂様のWebサイトを住職様が気に入られて、ノイにお問い合わせしてくださいました。

リニューアルでは、ヒアリングから現状の課題を洗い出し、近隣寺院と差別化できるサイトづくりを目指しました。また、カメラマンによる新規撮影に加えて、お寺でこれまでに撮り溜めていたSNS用の写真も活かしたデザインをご提案しました。

2023年公開

ご要望 REQUEST

  • デザイン刷新
  • 寺務(護摩行、供養、祈願、納骨)の説明
  • 庭園、歴史、宝物も含めた総合的な魅力発信

ノイの提案・アイデア IDEA

「らしさ」を表す写真を大きく配置

制作初期にスタッフとカメラマンが高野山を訪れて境内を撮影しました。お寺の雰囲気を肌で感じ、住職様からお話をお聞きする中で、シンプルかつ穏やかで品のあるデザイントーンで「持明院様らしさ」を表現できるのではないかと考え、いわゆる観光名所としての寺院サイトの対極を意識したサイトづくりを意識しました。
毎日磨き上げられている廊下の写真を通じて、持明院様には当たり前となっている日常的な清らかさを表現。過去に撮影された写真とあわせてサイト内で多数使用し、写真を大きく配置したデザインで、まだ訪れたことがないユーザー向けに訴求しました。

細部の工夫で世界観を醸成

持明院様が持つ歴史と格式を表現しながら、親しみある雰囲気をどうやって醸成するかがテーマでした。
表面的なあしらいは最小限にとどめ、使用フォントのジャンプ率もあえて抑えたデザインにしています。その一方で、一見では気づかれないレベルでの細かな工夫を施しました。背景に細やかなパターンを入れたり、すべての画像にごく小さなアールを付けたりして、ユーザーが無意識のうちに持明院様の世界観に浸れるような仕掛けを施しました。
また、過度なアニメーション演出は控え、サイトのトンマナに合うように表示スピードを調整しました。

文字量の多い行事ページは読みやすさを重視

行事ごとに独立した詳細ページを作成し、申し込み方法や流れを明確にして各ページからお問い合わせフォームに直接遷移できるようにしました。ユーザーの理解に寄り添う直感的な導線で親切で迷いにくい設計にしています。
檀信徒には高齢の方も多いため、祈願や供養などの文章量が多いページは特に読みやすい構成を心がけました。

コンテンツ CONTENT

高野山とは

基本的な情報を掲載して離脱を予防

持明院様が歴史ある塔頭寺院であることをふまえ、サイト内に高野山や真言密教について説明するコンテンツを作成。高野山への参詣と観光を考えているユーザーが検索により流入すること、また、途中で高野山や奥の院について調べようと離脱してしまうのを防ぐ効果も期待しています。

星まつり

重要行事を個別ページ化

高野山の寺院で重要な年中行事について個別ページを設置。申し込み方法や郵送対応、持ち物、よくある質問などを掲載し、檀信徒ではない新規層への訴求や電話による問い合わせの手間を省く効果を狙いました。

境内・庭園

四季折々の魅力をアピール

約2000坪の広い境内全体を俯瞰するイラストマップを作成し、写真と説明文をモーダル表示させて一つひとつ丁寧に紹介しています。持明院様の宿坊を利用してゆっくり過ごす方が多いとお聞きしたので、滞在中をイメージしやすいように工夫しました。 フォトギャラリーページには四季折々の花木の姿を多く掲載し、どの季節に訪れても楽しめることをアピールしています。撮影時に私たちが体感した清らかで静かな雰囲気を伝えられるように落ち着いたデザインで表しています。

宝物

貴重な画像の取り扱い

Web上で貴重な宝物を紹介したい一方、複製禁止の宝物画像をダウンロードされないように手を打つ必要がありました。右クリックが実行された場合にアラート表示をさせるのではなく、前もって画像上に「画像の転用はご遠慮ください」と名言して注意喚起することで、すべてのユーザーに宝物の価値を伝えられるよう努めました。